忙しい現代社会の中で、心身ともに、
健康にバランスのとれた日々を送るためには、
「間」を上手に生かす事が大切です。
雲を眺める事が、無意識のうちに私たちに及ぼす影響には、
大変驚かされると同時に、自然と人とのつながりを感じる時、
人間もまた、「自然の一部なのだな」と改めて実感させられます。
雲や自然が人に与えてくれるのと同じような力を、
実は「クラシック音楽」も持っているのです。
雲の次は、「クラシック?」と思われるかもしれません。
一見、何の関係もないように思われる事に、
一体、どのようなつながりがあるのでしょうか?
私たちは、クラシック音楽を聴いたり、
ピアノ等の楽器を演奏する時にも、リラックスしたり、
わくわくしたり、心が解き放されるような気持ちに
なったりするものです。
人がリラックスする時には、右脳の働きが活性化して、
α波を誘発する事がわかりましたが
(「間を上手に使おう!2」を参照)、
このα波を誘発しやすいのが、1/fゆらぎと呼ばれる現象です。
この現象は、そよ風や川のせせらぎ、海の波などの自然界や、
人間の鼓動や脈拍の変動など人の体が持つリズムの中に
広く存在しています。
クラシック音楽には、この1/fゆらぎを持つ曲がとても多いのです。
つまり、限りなく自然に近い音楽と言えるでしょう。
だからこそ、クラシック音楽を聴く事で人は安定するのでしょう。
クラシック音楽の作曲家達が、意識してそのような音楽を
作ったとは思えませんが、
そもそも、音楽が、自然界に存在している音から
生まれたと考えると、自然と同じ現象を持っていたとしても
不思議ではありませんよね。
クラシック音楽は、
「自然から生まれた音楽を、人がさらに発展させ、
洗練させ、進化させて、より人の暮らしに近づけたもの」
なのかもしれません。
楽器を演奏する事が人を癒してくれるのも、
楽器がもともとは自然にあるものを材料として作られ、
自然の音を持っているからでしょう。
楽器を演奏する事で、
「自然と一体になるような気持ち」が生まれ、
聴くよりももっと直接的に音楽につながる事が
できるのではないでしょうか?
このように、クラシック音楽には、
人間の存在の根本に深く影響を与える力が
ある事を考えると、
決して特別なものでも別世界のものでもなく、
クラシック音楽と共に過ごすひとときは、
人が生きていく上で必要な、
日々の暮らしの中に自然に寄り添う
美しい「間」であると思います。